卒業ビザ(サブクラス485)とは?2026年最新の条件・費用・申請の流れ
学生ビザの次のステップ、オーストラリアで働き続けるための道を徹底解説
オーストラリアでの留学を考える際に卒業後の進路やビザが切れた後の滞在方法についてあらかじめ考えておく必要があります。オーストラリアには、卒業後も最長4年間滞在し、フルタイムで働き続けられる卒業ビザ(サブクラス485)という制度があります。とはいえ同じビザでも申請条件や滞在可能期間などは異なり「自分はどのストリームに当てはまるのか」「費用はいくらか」「制度がどう変わったのか」を常に正確に把握するのは簡単ではありません。
本記事では、オーストラリア内務省(Department of Home Affairs)の公式情報をもとに、卒業ビザの対象ストリーム・申請条件・英語力の基準・申請費用・申請の流れ・2026年の最新動向までをわかりやすく整理しました。
卒業ビザ(Subclass 485)とは?
卒業ビザ(サブクラス485・Temporary Graduate visa)は、オーストラリアの教育機関を卒業した留学生が、雇用主や州政府のスポンサーを必要とせずに、一定期間フルタイムで働きながら滞在できる一時ビザです。就労制限がないため、現地の方と同じようにFull-Time・Part-Time・Casualいずれの雇用形態でも働くことができます。
2024年7月の制度改正により、ストリーム名称が整理され、対象条件や年齢上限もあわせて見直されました。現在申請する場合は、必ず最新のストリーム名と条件を確認する必要があります。
スポンサー不要で就労可能
- 雇用主・州政府の指名やスポンサーが一切不要
- 就労制限なし(フルタイムでの就労が可能)
- ビザ期間中は就学と並行することも可能
永住権へのステップアップ
- 就労経験を積み、189・190・491などの申請準備に活用
- Skills in Demand(482)ビザへの移行のための職歴を積む時間に活用
- パートナービザなど他ビザの準備期間としても活用可
2024年7月1日より、「Graduate Work stream」は「Post-Vocational Education Work Stream」に、「Post-Study Work stream」は「Post-Higher Education Work Stream」に、それぞれ名称が変更されました。中身は基本的に引き継がれていますが、公式サイトや資料を確認する際は新しい名称で検索するようにしましょう。
3つのストリームと対象条件
卒業ビザには、卒業した学歴のレベルに応じて3つのストリームがあります。どのストリームに該当するかによって、必要書類・有効期間・スキルアセスメントの要否が大きく変わります。最新の公式情報は、内務省の卒業ビザ(Subclass 485)公式ページでも確認できます。
| ストリーム | 対象となる学歴 | ビザの滞在可能期間 | スキルアセスメント |
|---|---|---|---|
| Post-Vocational Education Work Stream | MLTSSL掲載職種に関連するCertificate/Diplomaコースなどを含む専門学コース | 最長18ヶ月 | 必要 |
| Post-Higher Education Work Stream | 学士・修士(コースワーク/リサーチ)・博士など | 2〜3年(学位により変動) | 不要 |
| Second Post-Higher Education Work Stream | 地方地域の教育機関で学び、生活していた方向けの追加ビザ | 追加1〜2年 | 原則不要(初回申請時に確認済み) |
2024年12月14日施行の規則改正(Migration Amendment (Graduate Visas No. 2) Regulations 2024)により、Graduate Certificateは卒業ビザの「学位」要件を満たさなくなりました。Graduate Diploma以上のコースを選択するか、学士・修士など他の学位と組み合わせて申請する必要があります。
申請条件(対象者の要件)
卒業ビザの申請には、ストリームに共通する基本条件をすべて満たす必要があります。1つでも欠けると申請自体ができないため、出願前に必ずチェックしておきましょう。
- 申請時点で35歳以下であること(Hong Kong・British National Overseas〈BNO〉パスポート保有者、および修士(リサーチ)・博士号取得者は50歳未満)
- 過去6ヶ月以内に学生ビザを保有していたこと
- コース修了から6ヶ月以内に申請すること
- 申請時にオーストラリア国内に滞在していること
- オーストラリアの就学要件(CRICOS登録コースを合計92週間以上、最低16暦月オーストラリア国内で就学)を満たしていること
- 英語力の条件を満たしていること(詳細は次の章で解説)
- 健康基準(健康診断)・人格基準(無犯罪証明等)を満たしていること
- 有効な健康保険の証明を提出すること
以前は35歳が上限のストリームと50歳が上限のストリームが混在していましたが、2024年7月以降は「標準35歳未満、HK/BNOパスポート保有者と修士(リサーチ)・博士号取得者のみ50歳未満」という基準に整理されています。申請前に自分がどちらに該当するか必ず確認しましょう。
英語力の条件
卒業ビザの主要2ストリームでは、Competent Englishレベルの証明として、承認された英語テストで一定のスコアを取得する必要があります。2025年8月7日以降に受験したテストスコアにおいては、新しい基準が適用されています。
| テストの種類 | 総合スコアの目安 | 各セクションの最低スコア |
|---|---|---|
| IELTS(Academic/General Training) | 6.5 | 各セクション5.5以上 |
| PTE Academic | 55 | Listening 40/Reading 42/Writing 41/Speaking 39以上 |
| TOEFL iBT | 81 | Listening 12/Reading 12/Writing 14/Speaking 17以上 |
| OET | 1310 | Listening 260/Reading 280/Writing 260/Speaking 310以上 |
※ CELPIP General、LANGUAGECERT Academic、MET も新たに承認テストとして追加されています。Cambridge C1 Advancedは2025年8月7日以降の受験分から承認テストの対象外となりました。正確な最新スコア表は、内務省公式サイトの英語テスト要件ページをご確認ください。
IELTS OnlineやTOEFL iBT Home Editionなど、完全オンライン・遠隔監督形式のテストは卒業ビザの英語要件として認められません。必ず承認された対面式のテストセンターで受験してください。
2024年3月23日の制度改正により、英語テストの有効期間は「申請日から3年以内」から「申請日から12ヶ月以内」に短縮されました。早めに受験しすぎると、申請時にスコアが失効している可能性があるため注意しましょう。
申請費用(2026年7月改定後の最新料金)
オーストラリアの申請費(Visa Application Charge/VAC)は、2026年7月1日に全体で約25%引き上げられました。卒業ビザの主申請者の料金は、Post-Vocational Education Work StreamとPost-Higher Education Work StreamでいずれもA$5,750となっています。
| ストリーム | 主申請者 | 同伴者(18歳以上) | 同伴者(18歳未満) |
|---|---|---|---|
| Post-Vocational Education Work Stream | A$5,750 | A$2,875 | A$1,450 |
| Post-Higher Education Work Stream | A$5,750 | A$2,875 | A$1,450 |
| Second Post-Higher Education Work Stream | A$2,265 | – | – |
※ すべてオーストラリアドル(AUD)、2026年7月1日以降に申請する場合の料金です。申請条件や家族構成により料金が異なる場合があります。
※ 出典:Australian Government Department of Home Affairs(内務省公式サイト)
上記は内務省へ支払う申請費のみです。実際にはこれに加えて、スキルアセスメント費用(Post-Vocational Education Work Streamのみ/機関により異なる)、英語テストの受験料、健康診断費用、無犯罪証明書の取得費用などが必要になります。
申請費は会計年度切り替わりのタイミングや不定期でも見直されるのが通例です。申請直前に、内務省公式サイト内のVisa Pricing Estimator(査証料金試算ツール)で必ず最新の金額を確認してください。
ビザの有効期間
卒業ビザの有効期間は、申請するストリームと修了した学位のレベルによって異なります。同じPost-Higher Education Work Streamでも、学位によって2年になるか3年になるかが変わる点に注意してください。
- Post-Vocational Education Work Stream:最長18ヶ月(Hong Kong・BNOパスポート保有者は最長5年)
- Post-Higher Education Work Stream(学士・学士優等・大学院ディプロマ・修士コースワーク):2年
- Post-Higher Education Work Stream(修士リサーチ・博士):3年
- Second Post-Higher Education Work Stream:地方地域の指定に応じて追加1〜2年
かつては特定の学位・地域に対して2〜4年の追加延長がありましたが、2024年半ば以降この制度は終了しています。現在の有効期間は、上記の学位別ルールが基本となります。
申請の流れ
卒業ビザの申請は、大きく分けて5つのステップで進みます。コース修了から申請までの期間が6ヶ月と限られているため、早めに準備を始めることが大切です。
Step 1
自分の学位がどのストリームに該当するか確認し、CRICOS登録コースを合計92週間以上・最低16暦月オーストラリア国内で就学したかをチェックします。
Step 2
Post-Vocational Education Work Streamを申請する場合は、MLTSSLに掲載された職種に対応する審査機関にスキルアセスメントを申請します。結果が出るまで数週間〜数ヶ月かかることがあります。
Step 3
承認されている英語技能試験を受験し、申請日から12ヶ月以内のスコアを準備します。免除対象のパスポート保有者は、この手続きは不要です。
Step 4
ImmiAccountを通じて、コース修了から6ヶ月以内・オーストラリア国内滞在中に申請を行います。健康診断・無犯罪証明・健康保険証明などをあわせて提出し、申請費を支払います。
Step 5
申請後は多くの場合ブリッジングビザが発給され、学生ビザが切れても合法的に滞在できます。処理期間は時期や書類の状況により変動するため、内務省公式サイトの処理期間ガイドで最新の目安を確認しましょう。
2026年の最新動向・注意点
卒業ビザは近年、制度変更が続いている分野です。2026年に申請を検討している方が特に押さえておきたいポイントを整理しました。
Home Affairs Legislation Amendment(2026年措置No.1)規則により、卒業ビザを含む多くの visa の申請費が引き上げられました。主申請者の料金はA$5,750となっています(詳細は「申請費用」セクション参照)。
テストの有効期間が3年から12ヶ月に短縮され、Cambridge C1 Advancedが承認テストから除外される一方、CELPIP General・LANGUAGECERT Academic・METが新たに承認されました。また、オンライン・自宅受験形式のテストは一切認められなくなっています。
2024年12月14日施行の規則改正により、Graduate Certificateは卒業ビザの学位要件を満たさなくなりました。該当するコースを検討している場合は、Graduate Diploma以上への振り替えを早めに相談しましょう。
制度は今後も見直される可能性があるため、申請直前には必ず内務省公式サイトで最新情報を確認することをおすすめします。
SOL留学のサポート
卒業ビザは、ゴールではなく「次のステップに向けた準備期間」として捉えることが大切です。どのストリームで申請し、その後どのビザ(189・190・491・482・パートナービザなど)につなげていくかによって、今から準備すべきことは大きく変わります。
SOL留学では、オーストラリア政府登録移民エージェント(MARA登録エージェント)と連携しながら、学生ビザ取得の段階から逆算したコース選び・キャリアプランの設計をサポートしてきました。これまで数多くの留学生の「学生ビザ→卒業ビザ→永住権」というステップアップに寄り添ってきた経験をもとに、お一人おひとりの状況に合わせたご提案を行っています。
- 対象ストリームの判定とコース選定のご相談
- スキルアセスメント機関の選び方・準備サポート
- 英語テストの対策・スケジュールのご案内
- MARA登録エージェントによる卒業後のビザ申請・永住プランのご案内
「自分がどのストリームに当てはまるのか分からない」という段階からでも、お気軽にご相談ください。
📝 まとめ:卒業ビザは「早めの逆算」でこそ活きる制度
卒業ビザ(485)は、雇用主のスポンサーなしにフルタイムで働きながらオーストラリアに滞在できる、留学生にとって数少ない貴重なビザです。一方で、ストリームごとの対象条件・英語テスト基準・申請費は近年頻繁に見直されており、2026年時点の最新情報を確認せずに準備を進めると、思わぬ落とし穴にはまる可能性があります。
コース選びの段階から、卒業後にどのストリームを目指すのか、その先の永住権プランをどう描くのかを逆算しておくことが、スムーズな申請への近道です。申請直前には、必ずStudy Australia公式サイトや内務省サイトで最新情報をご確認ください。
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よくある質問 FAQ
卒業ビザは何回も取得できますか?
条件を満たせば、Second Post-Higher Education Work Streamとして2回目の卒業ビザを申請できる場合があります。ただし、初回のPost-Higher Education Work Streamの取得時に、地方地域の教育機関で学び生活していたことなど、追加の条件を満たす必要があります。
Graduate Certificate(大学院修了証)だけでは卒業ビザは取れませんか?
はい、2024年12月14日の規則改正以降、Graduate Certificateのみでは卒業ビザの学位要件を満たせなくなりました。Graduate Diploma以上のコースを修了するか、学士・修士など他の学位とあわせて申請する必要があります。
卒業ビザの間に転職しても問題ありませんか?
問題ありません。卒業ビザには就労制限がなく、雇用主や職種の縛りもないため、ビザ期間中は自由に転職やキャリアチェンジをすることができます。
卒業ビザから直接永住権になりますか?
卒業ビザ自体は一時ビザであり、自動的に永住権へ切り替わるものではありません。ただし、この期間に得た就労経験や英語力の向上を活かして、189・190・491などの技術ビザやSkills in Demand(482)ビザへ申請するケースが一般的です。
英語テストの結果はどのくらいの期間有効ですか?
2024年3月23日の制度改正により、卒業ビザの申請日から数えて12ヶ月以内に受験したスコアのみが有効となっています。以前の3年間という基準からは大幅に短縮されているため、受験のタイミングに注意してください。
