”チャイルドケア (Early Childhood Education and Care)”というこのコース、多くの人が気になっているのではないでしょうか？コース名は聞いたことがある、気になっていたけど中々詳しく知る機会がない、など。かなり謎の多いコースです。
※以下、チャイルドケアコース＝ECEC
このコースは果たしてどういうものなのか、何を勉強する必要があるのか、しっかりコースを修了することが出来るのか、そして卒業後にはどのような就職オプションがあるのか。今回はこのような疑問にお答えしていこうと思います。
多くの人はただ子育てのために勉強していると考えるチャイルドケアコースですが、コースを終えてから出来ることは様々です。
１. ECECコースでは何を学ぶの？
ズバリ、ECECとは0〜5歳の幼児を教える「保育士」になるための準備コースです。
コース内で学ぶ内容は以下の通りです。
| 教育指導、学習計画、子供の活動計画 | 子供との接し方や世話をするスキル、子供への理解を深める |
| 教育業界について学ぶ | 子供に起こりうる予期せぬ出来事の応急措置、予期せぬ状況での緊急対応 |
| 創造的な学習を通じて幼児の発達を助ける | 子供の成績評価 |
| 子供の親と良好な関係を築き、子供の発達を促進する |
２. コース終了後の就職オプション
| ケアセンターマネージャー | ファミリーデイケアマネジャー |
| パートタイムケアコーディネーター | 幼児教育ケアラー |
| 放課後のアシスタント |
３. ECECのコース期間
ECECを学ぶには以下２つのコースがあり、学校によって異なりますがコースの期間は約2年間となっています。
- Certificate III in Early Childhood Education and Care and
- Diploma of Early Childhood Education and Care
4. ECECを勉強する理由
- オーストラリアの学習文化に触れられる。
- 授業料が安い 。（全学期で約12,500ドルなど）
- 平均年収で50,000ドルから60,000ドルが稼げる。
- オーストラリアで永住権を申請するチャンスがある。
- 英語で学習、実務経験をしたことにより、就職機会と高収入を得られるチャンス。
- 仕事を得るのに適しているのと同時に、将来的に子供の世話をするための知識になる。
- インターンシップの機会が与えられるため、勉強しながら実務経験を積むことができる。
- ECECを卒業した生徒への需要が高まっている。将来的に、オーストラリアでこの職に就いて勤務する人口は、過去最高の10,000人にまで上ると言われている。
5. オーストラリアでの滞在期間を延長する方法
ECECのプログラムを２年間終え無事卒業できたら、卒業ビザ（Temporary Graduate Visa subclass 485）を取得できます。この卒業ビザを取得するには、ACECQAという組織が管理しているSkill Assessmentを行う必要があります。
Skill Assessmentには、コース内で行なったインターンシップの証明書とIELTSの結果が必要となります。IELTSでは、オーバーオールスコア6.0（各バンドスコア 5.0以上）が必要となります。
また、このビザを取得することが出来れば更に1.5年間の滞在が可能となります。
6. オーストラリアで永住権を申請する方法
チャイルドケアを卒業後、永住権の取得に繋げる方法は大きく分けて２通りあります。
1つ目は、卒業生ビザを活用しクイーンズランド州最北部指定地域にて職業経験を積んだあとに永住権を申請する方法。
2つ目は、大学で３年間チャイルドケアのコースを履修し学位を取得した後に永住権を申請する方法です。
※クイーンズランド州最北部指定地域というのは全体的な人口増加、経済活性を主な目的としてオーストラリア政府が認定している地域となります。特に、サブクラス482 TSSビザにある労働契約ストリーム（Labour Agreement stream）において、雇用主が特別な条件の下で外国人の労働が認定されています。この地域では、永住権を目指す上で以下の点で有利となります。
・職種によっては永住権の取得に繋げることができる
・約７０の職種が対象とされていて、スキルレベルが高くない業種も多い
・一部の職種では英語力の基準引き下げが適応される
ECECを利用して永住権の取得を目指すには、卒業ビザ取得後に得られた1.5年間の滞在期間を最大限活用する必要があります。永住権取得を目指す場合、この期間で指定された職種でしっかりと経験を積まなければいけません。
ここで注意しなければいけないのが、チャイルドケアワーカーとして永住権を取得するにはケアセンター内の特定の地位（例：ケアセンターのマネージャー）で働いている必要があるのと、詳細なクライテリアに沿った業務内容をこなしている証明が必要なことです。
7. ECECコースを活かして永住権を申請可能なビザ
ECECから繋がるビザは様々ですが、以下にいくつかの例を挙げさせていただきます。
- サブクラス189：技術独立ビザ
- サブクラス190：スポンサービザ
- サブクラス494：地方型暫定雇用ビザ
- サブクラス491：地方移住暫定スポンサービザ
この他にも、特定の条件を満たせば申請できる永住権ビザもございます。こちらについて、詳細はお問い合わせください。
結論として、ECECを終了後に保育士として永住権を獲得する方法はありますが、事前に知っておく事柄や準備することがかなり多くなっています。特に永住権を目指す場合は、出来るだけ早い段階から準備を進める必要があるので分からないことや気になることがあればすぐにご連絡ください。
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