まず初めに
日本で就職し将来設計をしていた中、将来への不安や何か新たなチャレンジについて考えはじめた、そんな方に是非ご覧いただきたいこちらの“大人になってからの留学・移住プラン”。
近年日本から海外への移住や永住、もしくはいわゆる「出稼ぎ」のために海外へ渡航される方が大変多くなっています。 その為、SOL留学でも特に30代中後半以上の年齢層の方からオーストラリア留学や移住に関して多くのお問い合わせを頂きます。 まず、そもそもなぜオーストラリアへの移住が人気になっているのでしょうか?
主なオーストラリア永住の魅力やメリットとしましては、
・賃金
・経済成長
・生活環境
・キャリアチェンジのチャンス
など様々な魅力があるオーストラリア移住ですが、そんな中実際に移住を考えられる方々の一番多い疑問点として”年齢的に留学・移住は本当にできるのか?”という点になります。 ということで、今回はこちらの疑問点に関してより具体的にお話させて頂いたいと思います。
オーストラリア移住・永住について
近年オーストラリアへの移住がより一般的となり、テレビ番組などでも特集されるほどの人気ぶりとなっています。ただ、なんとなく聞いた情報で誰でもできると勘違いしてしまう方も多く、実際はとても複雑な内容となっています。まず、オーストラリアに移住・永住するためには永住権(永住ビザ)を取得する必要があります。
この永住ビザには多くの種類がありますが、取得するために必要な資格としては、下記のいずれかもしくは全てを満たしている必要があります。
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オーストラリアが定めている職種リスト「Skilled Occupation List」に含まれている職種での永住・就労のビザ申請
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職種に応じて求められる学位の所有、もしくは学位に相当する職歴を得ている
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申請を希望するビザ毎に設定されている申請条件(職歴、英語力、ポイント、年齢など)を満たしている
そして、上記の内容を満たしている際の主なオーストラリアでの永住への道のりとしては大きく分けて下記の3つになります。
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オーストラリア国内で必要な学位を取得し、卒業後、就職し職歴を重ね 就労・永住ビザを申請する方法
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オーストラリア現地で過去もしくは現在すでに職歴がありビザの申請基準を満たしている場合
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日本の職歴を使用し直接現地の企業からスポンサーなどを取得し、就労ビザ(スポンサービザなど)を申請する方法
今回ご紹介した内容以外にもいくつか申請の方法はありますが、ここまではあくまでも基本的なオーストラリアへでの就労・永住ビザを申請する内容をご紹介させて頂きました。
ではここで冒頭の質問に戻りますが、実際にオーストラリアへの移住を考えた際になぜ年齢が関係してくるのでしょうか?
オーストラリア移住における年齢問題
1.ビザ申請における年齢制限
オーストラリアでは永住ビザ申請をする際に数多くの申請条件がビザ毎にありますが、その中で共通してあるのが年齢制限になります。
この年齢制限は一部の方法を除き、ほとんどのビザにおいて45歳未満と設定されています。
そのため、こちらの年齢制限を超えてしまうと一部の方法を除き(後ほどご説明致します)基本的には移住・永住のためのビザ申請が不可能となります。
2.ポイントシステムにおける年齢の影響
オーストラリアの就労・永住ビザの中には「Skilled Visa」と呼ばれる技術ビザがあります。こちらは個人の学歴・職歴・英語力などをポイント換算しビザ申請を行うものになりますが、その中の項目の一つとして年齢が含まれます。
こちらの年齢におけるポイントは現在25-32歳が一番ポイントが高い年齢層とされており、そこから少しずつポイントが下がっていきます。技術ビザではポイントの高い申請者からビザのノミネーションがされるため、技術ビザでの移住などを考えられる際はその時の年齢によってビザ取得の可能性が変動していきます。
3.オーストラリア現地での就職
上記のビザの問題の他にも現実的な問題として就職が可能なのかどうかという問題もあるかと思います。職種にもよりますが、やはり一般的には若い年齢層を対象に採用する会社は少なくないと思われますので、やはり年齢がオーストラリア現地での就職に影響することはなくはない所です。
ここまで大きく分けて3点の年齢に関する問題点が上がりましたが、ではこの場合オーストラリアへの移住・永住はできないのでしょうか?
いえ、可能です!!
もちろん年齢に応じてオーストラリア移住に際する選択や難易度は変動するところではありますが、それでもまだまだ方法はあるんです!
ということでここからが今回の本題になります!
オーストラリアで「第2の人生」を歩むにはどのような方法があるのでしょうか?
大人になってからのオーストラリア留学・移住方法
オーストラリアでの移住方法に関しては、冒頭にお話させて頂いた通りになります。この中で考慮すべきこととしては、何の職種で・どのビザを・どの様な道のりで申請するのかになります。 とは言っても「年齢問題があったらもう無理ですよね?」 そう考えられている方に向けてまずは年齢問題から解決していきたいと思います。
- ビザ申請における年齢制限
上記にある年齢制限ですが、お伝えした通り、ほとんどの場合で年齢制限は45歳までとなります。そのため、当たり前ではありますが、一番はできるだけ早く履修・就労の準備を始め年齢制限を超える前に渡航し準備を始めることです。
ただ、今現在年齢制限を超えていなくても仮にこれから永住コースなどを履修し就労歴をオーストラリア現地で作ろうと考えれれている方の中にはかなりギリギリもしくは現時点/その段階で年齢制限を超えてしまう方もいらっしゃると思います。
そんな場合に今回お伝えしたいのがDAMAになります。DAMAとは、「Designated Area Agreement Migration Agreements」と言い、政府と人手が足りてない特定のエリアの地方自治体と雇用主との間に交わされている契約のことになります。この契約が結ばれている地域においては各地域ごとに申請できる職種・申請条件が設けられており、中でも一番魅力的なのが年齢制限の緩和になります。こちらはすべてのDAMA地域もしくは全ての職種に適応されるわけではありませんが、現状数多くの職種・地域において永住ビザ申請の年齢制限が50-55歳まで引き上げられています。そのためもし現時点でもしくは今後年齢制限が超えてしまうという方はこのDAMAエリアでの移住プランを考えることが可能となります!
こちらのDAMAについては以前SOL留学のブログでも紹介させて頂いているので是非ご覧いただければと思います。
また、こちらのDAMAのシステムは年々更新がされていますので、最新情報をお求めの方は是非お問い合わせください。
2. ポイントシステムにおける年齢の影響
こちらの記事をご覧いただいている方の中では、まだ年齢制限的は問題なくスキルビザでの永住権取得を考えられている方も多いかと思います。
その場合一番気になるのは年齢でのポイントですが、こちらに関して言えることは、「まずできるだけ早くオーストラリアへの渡航プランを考えてください!」ということです。ポイントシステムに関しては上記のDAMAなどの様に年齢制限の緩和などがないため、できるだけポイントを高めるにはなるべく早くビザの申請を行うしかありません。
ポイントシステムで年齢による減点をカバーする方法としては以下の様になります
- 英語力の向上:現状IELTS6.0相当が0ポイント、IELTS7.0相当が10ポイント、IELTS8.0相当が20ポイントとなっています。このポイントの違いはかなり大きいためできる限り英語力の向上を図ることは履修のためだけでなく永住のためにも重要となります。
- 学位の取得:最終学歴もポイントとして換算されますが、現状、専門・短大卒、学士・修士、博士に分かれて10 – 20ポイントの加点が可能となります。現段階での学歴で加点が多くない場合はオーストラリアでの新たな履修が推奨されます。
- オーストラリアでの履修:現状オーストラリアで2年以上履修を完了するとプラス5ポイント、さらに地方エリアでの履修の場合さらにプラス5ポイントとなります。
- 地方エリアでのビザ申請:現在地方エリアに指定されている地域が提供する491ビザなどでは申請者に対して別途15ポイント付与されるため、こちらも大きな特典となります。
上記以外にも加点方法はありますが、こちらが主な対策方法となります。
3. オーストラリア現地における就職
上記にある通り、年齢によって就職活動に影響がでることはもちろんありますが、オーストラリアにおいては少し話が変わっていきます。というのも、オーストラリアは日本とは異なり比較的実力社会なところがあります。つまりこれまで何をしてきて今何ができて、どれだけ職場に対して還元できるかが採用に際して重要になります。そのため、もし現時点ですでに日本で申請希望する職種における職歴がある方はとてもチャンスがあります!
特にオーストラリアで需要が高い保育士、介護士、看護師、建設関係職などは国ごとのシステムは違えど経歴のある方の就職率はとても高くなっています。そのため職歴がある方は年齢はそこまで大きな障害ではなくむしろ「経験値」というメリットにもなるのです。
オーストラリア移住・永住における人気の職業とその他の選択肢
オーストラリアに移住永住を考える際は上記の通り、指定の職種リスト(Skilled Occupation List)に職種が含まれている必要があります。こちらの職種は以下のリンクから確認が可能となります。
数多くある職種の中でも特に近年日本人の方に人気がある職種としては以下の様になります。(職種ごとに必要な学位が異なるため今回は専門学校の学位が必要な職種と大学以上の学位が必要な職種でいくつかリストアップさせて頂きます)
【専門学校 】
・シェフ・パティシエ
・チャイルドケア(保育士)*
・介護士**
・大工
・自動車整備士 など
【大学】
・看護師
・ソーシャルワーカー
・IT (エンジニア、ウェブ開発、セキュリティー、アナリスト、プログラマーなど)
・会計士
・教員 (園児、小学校、中・高校) など
*チャイルドケアは現在指定の職種リストに含まれていますが、都市圏でのビザ申請が現状難しく永住権取得に関しては制限がかかるため事前に綿密な計画が必要になります。
**介護士は’とても人気が高くお問い合わせも多いですが、現状指定の職種リストには含まれていません。ただ特定の地域によってはスポンサーや永住権の取得が可能にはなります。
上記はあくまでも日本の方に人気な職種になりますのでこちら以外にも数多くの職業で永住権申請が可能となります。詳しくは是非SOL留学までお問い合わせください。
現実的なビザオプション
独立技術ビザ(189ビザ)
ポイント取得制のビザで、これまでの学歴・職歴や英語力などでポイントを集め、最低65ポイントから申請できるビザになります。ポイントを集めるとEOI(Express of Interest)で自分のスコアを申告し、永住権申請の権利を待つことになり、招待(Invitation)を受けた後に永住権申請が可能となります。こちらは高いスコアがより優先的に招待されるため、スコアは高ければ高いほど有利となります。
州スポンサー(190/491ビザ)
こちらのビザは各州によって条件が異なりますが、要求されるポイントは変わらず65ポイントです。190は州のスポンサーで、州内であれば特定の地域は関係ありません。一方、491ビザは州内のReginal Areaと言われる指定地方エリアにおけるビザになります。190ビザ、491ビザともに申請時に追加ポイントが付与されますが、地方(491visa)の方が州からもらえるポイントが高くなります。
雇用主スポンサービザ(482 TSSビザ)
文字通り、雇用主からスポンサーをしてもらうことで取得可能なビザです。こちらのビザを申請する際に必要なのは指定の職歴(現状Full-timeで2年間)と雇用先からのスポンサーとなります。ポイント制(482ビザ)ではないこと、Full skill assessmentにパスしなくてもいいなどの特徴があります。本記事でご紹介させて頂いたDAMAエリアでのビザ申請もこちらのスポンサービザとなります。